始め、都会は怖かった

私が初めて東京に出てきたのは、進学でした。それまではそれこそ田舎の中の田舎、ザ・田舎!で過ごしていたので、東京は憧れの大都会でした。

今でこそテレビで都会と田舎の違いなどを紹介していますが、私の若かった頃には、そんな事はありませんでした。
きっとテレビのタブーだったのかな。

だから、一人で東京の街を歩くなんて事は、ちょっと恐くてできなかったです。でも、好奇心は人一倍でした。都会は憧れでしたから、本当は毎日でも見て歩きたかったのですが、学校と当時住んでいたアパートの往復ばかりでした。

自分と同じような状況の友達もでき、一緒に都会へ出掛けてみたのはそれからすぐのことです。

修学旅行とも違う自分たちはこの都会に住んでいるということで、かなり舞い上がっていました。行ってみたかったのはやはり渋谷と原宿でした。自分たちが住んでいたのは恵比寿でしたから、すぐの場所なのに出掛けたのはちょうど夏休みに入る直前でした。

手に手を取って、お互いを支え合うようにして、渋谷の交差点にやってきました。センター街です。
今なら普通に思えますが、当時は怪しい街そのものという感じがしていました。

今思い出しただけでも、その時味わった昂奮がよみがえってきます。
でも、行ってみたらなーんだという感じでした。

当然のごとく何も起こらず、渋谷のお店で買い物をして帰ろうとしたときのことです。なんだか黒い服の男性から声をかけられました。
ナンパ男には、オドオドせずにキッパリ断ろうと決めていたので、堂々と断りました。

でも、その人は道を聞いてきただけだったのです。しかも、私たちの言葉のイントネーションから、同じ茨城出身だと分かったので、それで訊ねてきたというのも後で分かりました。

「そーだよね、今だって気が緩んでいたら、なまっちゃうんだから」同郷の人にひどいことを言ってしまいました。
都会はコワイ。と言うより自分たちがコワイ。
そんな苦い想い出です。

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